ライツのメカニカルステージ
"Leitz Mechanical Stage"
1890年代に製造されたと思われるアクセサリーです。
顕微鏡に後付けするためのメカニカルステージ(オプション品)です。
全体が真鍮製でその胴体部には「E. Leitz Wetzlar」の刻印があり、前後動アームには黒い漆塗装、綺麗に磨かれたハンドルと固定ノブ、そして各パーツの留めねじには全て光沢のあるネイビーブルー塗装が施されています。
19世紀、当時ライツのアクセサリーは、内装に別珍(ベルベティーン)を張った化粧箱に収めて納品されました。
ライツのオプション品の仕上げぶりは尋常ではありません。この時代のライツ社はまるで部品ではなく工芸品を作っていたかのようです。
綺麗に仕上げられた商品が豪華な化粧箱に入って届くので、クレームを入れる顧客はおそらく無かったことでしょう。
惜しむらくは、これを顕微鏡に取り付けるには2本の固定ねじを顕微鏡の支柱に食い込ませる必要があるため、顕微鏡支柱の表面に傷が入ることです(ライツ「スタンドⅢ」に取り付けたメカニカルステージ:画像9枚目と10枚目を参照)。※出品内容に顕微鏡は含みません
この後のメカニカルステージでは顕微鏡への取り付け方法が別の方式(本体+取り付けねじ)に変わりました。顕微鏡側にもねじ穴が設けられました。
【コンパクトに箱に収まるこの一体式の美しいアイテムはそれ自体で完結しているようです。長い間使われずに保管されていた一品です。】
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